haiirosan's diary

散文とか

Down To Heaven

アナログの夜伽、混濁した視覚視野に突き刺さる、季節の壊乱。

スクリーンに刻まれた罅――熱病に火を放つドライアイススピリタス

青1号のドーナツ、不穏なる暗雲。抉られたサロメの眼球が、この世界の靑を永延と映している。

不可侵と不可思議に沈むパノラマ空の下、翼をなくしたプロペラ機は、いつの間にか白昼のノスタルジアに堕ちて、柔らかな肌雲の記憶すら忘れてしまう。

街路樹を貪る鴉の罠、七月の愛撫はアスファルトを地獄へと変換し、水色の焼夷弾メメント・モリを夢見る君に、天国へと導くからと囀りを繰り返す……

ブルーハワイ溶けない夏に椰子眠る。

甘い榴弾焼身の信仰、

爆ぜる午後とライフルの行進。

手のひらのコカ、左手に刻まれた血は止まず。

白目に朱が一筋、ストローに付着したジャックダニエル琥珀が揺らいでいた。