haiirosan's diary

散文とか

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

車輪の下、歯車の幻覚、内臓の共喰い、

欠席に浸された教室、ノートに突き立てられたナイフからは幽かに血が滲み、揺らめく影が握り締めた鉛筆は窒息死として処理された。 「記憶」 記憶は少しずつ薄れて、暗い夢が現実に肉迫する。 網膜と鼓膜を揺らす影のトレモロ 「バニラのドレスは脾臓を動脈血を…

神なき深層網から

放たれた虎とコデイン、止まらない吐血と咳に 血塗れの君は足を滑らせて38――0。藪の中は無罪に溢れていて 白昼アスファルト上では 無垢な赤子の左手が切り裂かれる流血すら隠匿する太陽に審判を下すのは 壊れかけの蒼だからと 神なき深層網からそっと呟くの…

青熱に焼かれたレンズ・フィルター

夏の青は永遠と呪詛と讃美歌を歌う 石化するオルガンの嘆き 焼死体と化す百年戦争の末期癌 かつて教会だった―― かつて無垢だった__ 此処には誰もいない 透き通った吸い殻の呼吸が海水に溶けて 遠くの国の誰かを殺すだけ アスファルトに染みる悲鳴 レガート…

8月32日のブラック・フラッグ

逢魔ヶ時、遺影のキミの声が永延と反芻するから、私は8月32日のブラックボックスをいつまでも掻き毟っている。 「君はあの9月を覚えているか? 空白と色彩のカクテルに溺死した死相漂う日々を」 血塗れの管制室、Jefferson Airplaneの遺体が未だに見つからな…