haiirosan's diary

散文とか

2019-01-01から1年間の記事一覧

水鏡に映る蜻蛉と黒揚羽

かつて「空白であった」はずの棺桶に落とされた、造花の花束。 這い出る黒揚羽、逢魔の夕光に照らされても尚、彼は畳の上で冷気を湛えたまま。 悲劇の始まりはあまりにも唐突だ 悲劇の終わりはあまりにも鮮やかで 私の眼に刻まれた、ワタシの靴が赤く染まって…

円環構造の俳句と疑問符

硝子細工の夕暮れは蒼の操り人形だ 教会のステンドグラスが朗らかに嘯くけれど 彼女の色彩は未だに死んだままだから―― 空白のチケット 虚ろな番号を君は言い当てることが? 4730821569 ハーシュノイズ モノクロ・ブラウン管越しに視た観覧席には、たしかに1…

3番目の椅子とブランケットを捜さないと、

少女の戦場を夕陽だけが照らす滴る血と骨が凱歌を嘯き錆びた手錠が自らを自らでいる為に自ずから偶数であろうとする断線は幸福である断絶は幸福である断崖から身を投げる君はいつも、全てが断ち切れた時幽かな光と止血剤がそっと射し込む 心臓と敗血を零しな…

車輪の下、歯車の幻覚、内臓の共喰い、

欠席に浸された教室、ノートに突き立てられたナイフからは幽かに血が滲み、揺らめく影が握り締めた鉛筆は窒息死として処理された。 「記憶」 記憶は少しずつ薄れて、暗い夢が現実に肉迫する。 網膜と鼓膜を揺らす影のトレモロ 「バニラのドレスは脾臓を動脈血を…

神なき深層網から

放たれた虎とコデイン、止まらない吐血と咳に 血塗れの君は足を滑らせて38――0。藪の中は無罪に溢れていて 白昼アスファルト上では 無垢な赤子の左手が切り裂かれる流血すら隠匿する太陽に審判を下すのは 壊れかけの蒼だからと 神なき深層網からそっと呟くの…

青熱に焼かれたレンズ・フィルター

夏の青は永遠と呪詛と讃美歌を歌う 石化するオルガンの嘆き 焼死体と化す百年戦争の末期癌 かつて教会だった―― かつて無垢だった__ 此処には誰もいない 透き通った吸い殻の呼吸が海水に溶けて 遠くの国の誰かを殺すだけ アスファルトに染みる悲鳴 レガート…

8月32日のブラック・フラッグ

逢魔ヶ時、遺影のキミの声が永延と反芻するから、私は8月32日のブラックボックスをいつまでも掻き毟っている。 「君はあの9月を覚えているか? 空白と色彩のカクテルに溺死した死相漂う日々を」 血塗れの管制室、Jefferson Airplaneの遺体が未だに見つからな…

Saihateokehargawacoremaー

――俺が信者マーチを詠唱する程に好きなハードコア・パンクはBLACK FLAGであることは誰もが知っていることだとうまるたみるユミルタミフルハミルトンプラトンミルトンてつがくばけがく てっちゃんうまかっちゃん、ヽ(^^) !(^^)!うまかっちゃん!死滅したO…

空白の記事

空白の記事に唯、水色のソーダが滲んでゆく 文字化けを何よりも怖れる人々は 永遠に真相に辿り着くことはなく―― 44面に刻まれた君のモノクロ 色彩に深く潜られた轆轤 廻る廻る廻る、桃色の太鼓 彼女の首より彼の首の方が切り口は綺麗だ 彼の静脈血より彼女の…

青いシュレッダーの深層に潜むのは

凍てついた鶏の首が夕刻に跳ね回る。ブレザー冷めた路地裏の罪は深紅のペパーミント、シュレッダーの深層に潜むのは青いペンキだからと囁いた彼女はドライジンをライムで炎上させて―― いつの間にか私を囲う熱砂の鉄柵は日々の泡と錆びついた瞳孔を揺らめかせ…

百二十分の屛風

ひび割れた新宿スクリーン 地下鉄に翡翠の海が流れ込む 炎症を引き摺ったままのスカートは 無垢と海塩に切り裂かれ 見えない水死体 可視の海月 変色を訴える水彩画 紅色の水平線に救いは無く 吊革を見つめる瞳は光すら無く 傍観者であることが罪ならば 救命…

画鋲雨と砂漠の壊死

画鋲雨に刻まれる匿名の吸い殻 消え去る青い炎に 誰もが喝采を浴びせる 行方不明のネオンライト 血塗れのレインコート 渇ききった未来すら溺れ死んで 意味の無い傘を永延とさす君は 暗い太陽を黙殺する 「それとも、曇天の救済」 崩落した教会に刻まれた雨痕 …

夏の雨はいつも残酷だから、

雨の通続音がラジオノイズに溶ける 最期の子守唄がサイレンに変換されても尚 水灰色の旋律は止むことなく 錆びついた人魚の叫び 匿名の少女がナイフを握り締めた時 街の柔らかなネオンが幽かに揺らいだ―― ……楕円の楽園、花火と隠匿 色彩罪はモノクロームのト…

空白のプール、鬼門と不協和音に__

緩やかな業火に影絵が溺れる 輪郭すら喪った「誰そ彼」に 私は赤い靴を求めて彷徨う 裸足の熱傷 青い砂漠 淡い帳 葬送 音 音 音色がイロを喪う 音がワタシノ意識から 剥離する 鼓膜の楽園? 網膜の獄炎? 「鬼門をくぐり抜けたから__」 シームレス シームレス …

猫の海で「牛の首」の話を――

墜落したブラックボックスだけが、微かな産声をあげた。 0ばかりが刻まれる画面に、少女はリキュールを突きつける。 水色の海、深紅の空、翡翠の日曜日 イロに憑かれた月曜日に、彼或いは彼女が絶望の鈍色を選ぶことを誰が―― そう、「猫の海で(牛の首)の話…

Sand Graffiti

蝙蝠の円卓に夕暮れは瓦解する 銀杯に這い回る偽りの夜 呼吸すら忘れて 色彩すら渇いて 飛び去る闇夜 墜落する光 血が滴るウエディング・ドレス 火葬場には少女たちの笑みしかない 灰の偽装と添えられた造花 枯葉の調べ 百年の孤独 空白の歴史 独り、 ――正体…

カナリアのラジオシフター

終焉を迎える-4,柑橘と藍色殺人の不明瞭に彼方のピエロとボウリング・ピン、轢断偽装死体、嘆きの水瓶で笑うラジオシフター、 香料 轟音呻く高架上に遺された君の赤い靴がそっと忍び寄って―― 夕刻の打ち上げ花火に沈む夜空の深度は 夕刻の打ち上げ花火に砕…

白雷のレンズ、修羅と花

沙羅双樹と剣山に君の投身は陰画を描く 咲き乱れる修羅の花 骨だけになっても尚、切り刻む火葬場 みずうみに浮かぶ蓮の葉 みずうみに沈む罪の残滓 紅蓮に抱かれた夕刻 針だけが正常な教室 聖杯を奪いあう迷路に 貴女の首は何処に置かれた? 渇いた葬列の造花…

暗濘の暁

「彼は真冬のプールに棺桶を投げ込みながら、秘かな祈りを唱えていた」 ――名も無き証言者は3-A教壇にて、熱弁を振るっていたけれど、錆びたマイナスドライバーの行方は誰にも分からなかった、そう誰にも。 だが、砂漠の果ての油田から溢れる$と黒鳥は、砕け散…

304号室、バスルームに投げ込まれた鋸と花瓶

花瓶に活けられた生首を視ていた。 扇風機の涼音がなる12月、カーペットに散らばったアイリスは徐々に色と名前を喪う。 匿名に封鎖された304号室、バスルームに投げ込まれた鋸と、ワイングラスに充たされた血が渇く時、鴉たちは爽やかに飛び立って、何処へ――…

3人目の首とホットケーキ

水鏡に映るのは深淵だと3人目の首が袋越しに囁く。無表情それとも? 壁に描かれた牛刀と聖杯、砕け散ったチョークに白は無く、浮輪に刻まれた画鋲跡が貴女の50mに迫る鮫の偽装が暗い暗い目をしたまま__ 逆しまの午後にホットケーキが爆ぜた、地雷原に供え…

瓦解する夕刻、蜜柑畑、プールサイド

蜜柑畑に埋める西瓜の心臓 癌、癌と茜色の手首から垣間見える唇が囁くのは、記憶の中で(誰かの)眼球に突き刺さった簪 蒼いのはいつもプールサイドから500m以内だと君は笑う 完結した世界、簡潔化した物語 救いのない飛び込み、クロールの哀歌 刻まれる塩素剤…

丑三つ時、暗鬱の水彩がワルツを

渇ききった白昼、曝かれた心臓は躑躅みたいだったから、私は口から滴る静脈血を抑えることができなかった。 クリームソーダにブラッディマリーを加える市民革命の幻想。 泡沫の日々に狂ったまま 水差しの透明は27歳で幕を閉じる ――演目のCoda ただ一人最上段…

Air Sketch Construction Set

大量出血に平穏な新緑は瞬く間に不穏を帯びる。転がる首、埋葬されし耳、轢断される心臓―― クラクションが告げる懲役 過ぎ去るサイレンと傍観者 渇ききった桜の花片と匕首 終焉に向かう春風に、誰がシアンを混入したのか? 「夕刻」に変異させられし春蒼、彼方…

04160419

蒼穹に凍てついたソーダ水に 不明瞭な着色料が這い回る 4月の澄み切った空白は 瞬く間に彼方へと消えてゆくから 青から灰色のアスファルトへと 身を投げる彼女らは桃色の裸足のまま その先を見ることなく弔われて―― 血の焦げる匂いがした逢魔ヶ時 藍マントの…

水色のファンファーレ

十字路は炎に浸された、渇いた祈り、アークバードの墜落、網膜から流れでる茜色の夕景と記憶。 記憶の果て、雑踏の焼死、38面に描かれた陰画の真実に誰かが笑う。 海水に浸された50のビルディングにプティングは痕跡を遺してはいない 渇ききった切っ先、「全…

C'était à cause du soleil

無軌道な雑踏、都会の喧噪、淫らなネオンライトに浸されて、沈黙のまま佇む桜は狂気とイロを孕んでゆく。 春の夕刻は不穏だ。早過ぎた埋葬から流れでる鬱血、蒼白の人差し指が示す真相、37頁に潜むのは__ 散りゆく桃色の画鋲に、鬼すらも出血を隠せない。…

不可視の水槽に沈む10階

夕刻だけが世界の終わりをそっと告げた。 終わらない夢、始まらない暁、傍観者はいつも被害者だと、海辺の少女が囁く。 海岸線を失踪するナイフの傷痕、彼方で揺れる爆炎と断末魔。 翡翠色の貝殻が茜色に砕け散った刹那、裸足のままでは誰も―― かくれんぼに…

ピアノ線と明晰夢

青酸がマシュマロに熔けた。 3月は虚ろな旋律が、混濁した誰かの意識に紛れ込んで嗤う。 かくれんぼに興ずる蒼い鳥 冷却水に溺れた熱病 砂漠渦巻く幻想に、いつか灰色の地平線が淫らに茜色に染まってゆくから__ ピアノ線と轢断された夕景、酩酊に臥した太…

二藍の屛風に血が滲む

春狂蔓延、無呼吸症候群の魚円転し続ける瞳孔暗転し続ける網膜白昼夢と千鳥足――雨でも傘を差さなかったのが私だけではなかったから私は私が私で私に私をあなたはアナタなのか? 4月、血塗れのピアニカ赤蟻と岩石、死体遺棄放課後までのカウントダウン偶数が…