haiirosan's diary

散文とか

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Sand Graffiti

蝙蝠の円卓に夕暮れは瓦解する 銀杯に這い回る偽りの夜 呼吸すら忘れて 色彩すら渇いて 飛び去る闇夜 墜落する光 血が滴るウエディング・ドレス 火葬場には少女たちの笑みしかない 灰の偽装と添えられた造花 枯葉の調べ 百年の孤独 空白の歴史 独り、 ――正体…

カナリアのラジオシフター

終焉を迎える-4,柑橘と藍色殺人の不明瞭に彼方のピエロとボウリング・ピン、轢断偽装死体、嘆きの水瓶で笑うラジオシフター、 香料 轟音呻く高架上に遺された君の赤い靴がそっと忍び寄って―― 夕刻の打ち上げ花火に沈む夜空の深度は 夕刻の打ち上げ花火に砕…

白雷のレンズ、修羅と花

沙羅双樹と剣山に君の投身は陰画を描く 咲き乱れる修羅の花 骨だけになっても尚、切り刻む火葬場 みずうみに浮かぶ蓮の葉 みずうみに沈む罪の残滓 紅蓮に抱かれた夕刻 針だけが正常な教室 聖杯を奪いあう迷路に 貴女の首は何処に置かれた? 渇いた葬列の造花…

暗濘の暁

「彼は真冬のプールに棺桶を投げ込みながら、秘かな祈りを唱えていた」 ――名も無き証言者は3-A教壇にて、熱弁を振るっていたけれど、錆びたマイナスドライバーの行方は誰にも分からなかった、そう誰にも。 だが、砂漠の果ての油田から溢れる$と黒鳥は、砕け散…