haiirosan's diary

散文とか

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Kill Be Vodka

硝子のように透き通ったギルビーウォッカが、冷えたビールジョッキになみなみと注がれたのは、嘘寒い9月の朝のこと。白い太陽は磨りガラスの奥でボンヤリと縮こまり、私の網膜を穏やかに焼いてゆく。心臓の鼓動は僅かばかり早まり、それは記憶の牢獄に閉じ…

この曲を聴け! 

この何とも押しつけがましいタイトルは、実家にあった音楽ガイド本から拝借致しました。タイトルは押しつけがましいですが、この本をきっかけにトリップ・ホップやゴアトランス等々を知ることになったので何気に感謝しています。という訳でナウな感覚でチャ…

赤いスカートと夕暮れの街  2

4 ――ガラスの破片を盲目的に巨漢の太い首に刺す。だが、それが人間の首などでは無く、冷たく無機質な、ただの電信柱であることに気づき、ハッと我に返った。 黒いカーテンが空を覆い、黒猫と影が闇に蠢く。そしてそれらを星々の下に曝け出そうとするかの様…

赤いスカートと夕暮れの街 1

――夢の中で殺され、目が覚めた。歪んだ針が指す、PM12:00。私を縛る現実の轍から解放された月曜日。窓の外から聴こえる「ような」気がする幽かに聞こえる靴底の群れる音と、子供達の耳障りな嬌声が、心の隙間に突き刺さる。 フォア・ローゼスの空き瓶、濁り…

茜色 空空、五時の夏と秋の境界線

末梢神経 中枢神経 応答セヨ真夏の生傷 呑み屋の影にて嘔吐せり グラスホッピー 外で酩酊 中は迷惑 氷は邪道 せせら笑う競りの後が夢の痕―― ――八月の末期 青春の燃え殻 亡骸に捧ぐ 紫煙と記憶 車窓 セッター 虚ろな冷房 夕景は走馬灯のように流れるの 朧げな…