haiirosan's diary

散文とか

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

石化面と心理的致死

誰かの脾臓が曇天に浮游して、機内食は瞬く間に菜食主義者に心理的致死をもたらした。 分解される倫理に慈悲はなく、ただ見えない乱気流が白骨化してゆく彼らを抱擁するだけ。 輪廻の運命、存在しない捜索隊と祈り 網膜に暗幕を降ろす、藍色の夕刻。 石化面…

「存在しない無意識下と毒蛇のポートレート」

海月のような太陽の揺らぎ 麻痺した空は目眩のままに夢魔を貪り―― 未だ訪れぬ澄んだ蒼の憧憬、 水面に沈む暁が全てを焼き尽くす時、 焼死体の眠りは何処までも凍えに浸されていた。 白昼の夢の意識は、海草のように揺らぐ電線みたいで、暗い影が夕濁した深海…

黄昏色の陰翳

黄昏色の陰翳から、色彩と人々が消え去った。 平行する夕暮れ時に、逆さまに映る少女たちの鬱血__ 或いは、 (昇ることの無いエスカレーター)を求めて彷徨う少年たちの影絵を塗り潰してしまうのは―― ゆるやかな波紋が水鏡の緑歌を瓦解させる。 灰燼と化し…

翠緑に添加された果糖

終末の交錯、蜃気楼のような痕跡は夕暮レに拭いがたい傷を刻んだ。 止まらない血 揺らぐ断片 無慈悲の警報 悲嘆に暮れる黄昏の匿名 炎上するのは仮想空間ではなく 君が死体のままの世界だから―― 翠緑に浸された死体。 無言に添加された果糖、偽装に塗りたく…