haiirosan's diary

散文とか

東京都京都呪詛は靑い着色料

――夢幻なるきょうと御堂筋にひた走る暴徒。

一陣、三陣、癈人の異人と砕けたフィルム。

遥か彼方、パナマ帽崩れな藍色の風が泣くとき、たしかに「あまりにも早すぎた夏」は見えない9人の三振によって、偶数番を亡き者へと変えた。

鴨川に流れる数多の水死体を風船売りが漁る。

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そう、東京都京都丿境界線の如く、青と死の境界線は近からず遠からず。

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