haiirosan's diary

散文とか

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「僕の昇天――或いは僕の生」 短編小説

鈍色と排気ガス、そして情念に満ちた都心から、両親曰く僕の「療養」の為に引っ越して来た、海辺の小さな田舎町。 不気味な案山子や錆びた看板、倒壊したバラック小屋が不規則に建つ国道。活気無く寂れたシャッター街や、海岸線に置き捨てられた漁船や廃車の…

ゆめにっきのエンドロール

僕が無意味に歪めた、反転し円転する、酩酊する時間の狭間。 夕暮れとウォッカトニック、黄昏にジントニック。 極寒の8月に捧ぐ青紫のアサガオすら、冷たい指先から紅の血を垂らす日々に、僕らは煙草を失ったアイスランドによる音楽によって涙を流す。 無邪…

蒼い午後と三ツ矢サイダー

1999年8月、「終わりの日」の境内にて、少女は未来など、喩えば三ツ矢サイダーの硝子瓶の中で跳ね回る刹那の泡だと嘯いた。少女は今どこにいるのか、どこにいったのか。 蒼い午後に吸い込まれるセンチメンタルは、夏のそよ風に吹き流され、僕も君も飛ばされ…

期限切れの世界

僕がみんなと繋がっていられる、この長方形の旧式MAC或いはスクラップWINDOWは、どうやら本日零時を以て暫しの終了を迎えるのだと彼女は言った。 彼女は平行する夕暮時に死んだと思っていたけれど、どうやら朝焼けのベーコンエッグの狭間の世界に隠れ潜んで…

酩酊しなくても僕らは地獄

夕暮れ、シチュー鍋にドカンと突撃した731部隊。 今日はクリームかbeefか何て、人身事故の赤を見ながらツイートするなよおい!!! といいつつ、僕は新宿の薄汚く洒落たカジュアル・イタリアン(彼の矛盾はいちご100%ならぬ左脳0ぱー)でホッピーセットヲ呑…

「雨と踊るワルツ」 詩

『詩とファンタジー』夏駆号 最終候補作