haiirosan's diary

散文とか

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

カテーテルの姦悪と錆びたベッド

雨音が硝子を炭化させる。 変拍子の化学式が揺らぐ時、 イロは血を纏い水は意識を喪った。 鴎はいつも死体だけを赦して、 いつかの冬の花火も、 黄昏の電線から飛び立つ鴉も、 夕陽のような記憶と共に薄れてゆく。 薄氷、水中花咲き乱れ、水槽は不審死が彷徨…

パラコート滲む造花とハーシュノイズ

落堕の春に、全ては呼吸器を放棄した。 彷徨う怨嗟、文字列が誘発する偏頭痛。 唯、眼前の終幕と蒼に、断線したイヤホンだけが 揺れて、揺れて、揺れ__ 永遠と繰り返されるハーシュノイズ、 鳥たちがサスペンデッド・ゲームに手を振ったとき、あまりにも穏…

溺れる魚の黄泉路

返り血の雨が渇ききった砂漠を彩る。 子供の国、届かない磔、釘の造花。 破傷風とフォークダンスを踊れば、幼児の切りたての首でキャッチボールを繰り返す父子に警告するのは、いつも死んだ眼をした私生児だと。 そうやって永遠の笑いが止まないうちに、存在…