haiirosan's diary

散文とか

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

水羊羹を誤読して、彼の躍動或いは記憶

――或る日、彼は水羊羹を誤読してしまった。彼が誤飲したのは暗い黒いスーパーボールだと彼女は言ったけれど、僕が視ていたようなサ変の上二段と「世界の終わりな沈黙」を目の当たりにしてもワルツを踊るスーパーボール。見知らぬ黒服の生ける屍が這い回る街…

0.001¢カタストロフィ

藍色の藍色のドレスコードに終末の予約は無いとマグリットが笑う。 ステンドグラス美術館、供物の肉が彩られる姿を、日傘をさす少女は虚ろに眺めていた。45℉の斜視、ボンネットに転がる地下街の法被、カスタネットの」片翼 0.001¢カタストロフィ、永遠に…

Swim Ciel Bleu Rumble

――そして焦熱に晒された世界の中、私は霊安室の椅子に縛りつけられたままだった。 いや、縛りつけたというべきか、試験管に納棺されたブルーハワイと死、猫の爪先に塗られたコールタールに放たれたコットンの染み、散弾銃、羅針盤の行方不明。 蝉時雨に残る…

蒼い夕刻、茜色の終幕

https://www.youtube.com/watch?v=HApEtZwSmR4 夕焼けに終わりが染まってゆくブルーバード、墜落 気が触れた時計の針揺れるカーテン 焼け落ちて暴かれた 汚れた色彩 虚ろな行進 寂れた雨に濡れて青い階段 踏み外す裸足突き刺さる 希望の絶望白い眼をして、僕…

トレイラーハウスと神が抱くリキュール

曇天の線路を赤い十字架が刻む 公園のトレイラーハウスと神が抱くC4 善良なる人々を、葡萄酒漬けの神を爆死に導くのはいつも、 ――茜色の朝、コーヒーに混入するリキュール、カンボジアで聴いたラジオを思いだすと6歳の少年が呟けば、向日葵色のランドセルに…

ブランデー・ボトルが砕けてターコイズネイルは哂う

雑踏に打擲されたブランデー・ボトル。 明滅する世界の構成物質に対して異議を唱える者は無く、ただ飛び去ってゆくカラスの群れを傍観していた。 紅色の空から桔梗の心臓が降り注ぐ。私たちは五月雨の記憶を溶かしてしまったけれど、アイスボックスに閉ざさ…