haiirosan's diary

散文とか

飴玉の紙吹雪

綿飴の夕刻に蟻の葬列が群がる
着色料に冒された404号室の紙芝居

飴玉のブーケ 異国の花菓子に潜むのは?

紙吹雪が繰返す、あまりにも可憐なる終幕

裸足の彼女たちがいつか
ハイヒールに毒される夢
林檎飴とイチゴ飴に潜まれしヒ素は 
最期を鮮やかに彩るから――
紫装束乱れて 彼女は死の概念を喪失した
傍観者であれと囁く 海原の如き通続なる青
炎上した白暴は白骨に隠れた血を求めて
焦土と化した街を彷徨っている

此処は暗喩に犯された沙漠の国
針先が愛でる遺体と紅麹
流るる季節追うは鮮血

ローストビーフの暁
胡蝶の夢を視る蝶は螺旋階段を繰返す
水色の水槽
拍動に揺らぐ漣
――夢診断のカルテに蝋燭が燃え映るとき
私を映している姿見の真相は――