haiirosan's diary

散文とか

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

画鋲雨と砂漠の壊死

画鋲雨に刻まれる匿名の吸い殻 消え去る青い炎に 誰もが喝采を浴びせる 行方不明のネオンライト 血塗れのレインコート 渇ききった未来すら溺れ死んで 意味の無い傘を永延とさす君は 暗い太陽を黙殺する 「それとも、曇天の救済」 崩落した教会に刻まれた雨痕 …

夏の雨はいつも残酷だから、

雨の通続音がラジオノイズに溶ける 最期の子守唄がサイレンに変換されても尚 水灰色の旋律は止むことなく 錆びついた人魚の叫び 匿名の少女がナイフを握り締めた時 街の柔らかなネオンが幽かに揺らいだ―― ……楕円の楽園、花火と隠匿 色彩罪はモノクロームのト…

空白のプール、鬼門と不協和音に__

緩やかな業火に影絵が溺れる 輪郭すら喪った「誰そ彼」に 私は赤い靴を求めて彷徨う 裸足の熱傷 青い砂漠 淡い帳 葬送 音 音 音色がイロを喪う 音がワタシノ意識から 剥離する 鼓膜の楽園? 網膜の獄炎? 「鬼門をくぐり抜けたから__」 シームレス シームレス …

猫の海で「牛の首」の話を――

墜落したブラックボックスだけが、微かな産声をあげた。 0ばかりが刻まれる画面に、少女はリキュールを突きつける。 水色の海、深紅の空、翡翠の日曜日 イロに憑かれた月曜日に、彼或いは彼女が絶望の鈍色を選ぶことを誰が―― そう、「猫の海で(牛の首)の話…