haiirosan's diary

散文とか

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

モノクロ、碧、黒マントの縊死体

三輪車に激突した朝、空中戦に墜落した麻畑で私は狂う。 ビートにピート、ディス・ヒート。トーチカ貫く水兵の三半規管、フィッシュ&チップスにくるまれた新聞紙の猟奇殺人記事或は夢の夢の夢を重ねたミルクレープの皮膚炎。――それは潮騒の残酷な記憶、繰り…

平行世界の夏は冬

――八月の朝、夏の熱気に浸された身体に、降りしきる不可思議が沁みる。 冷たく染まった道を歩く人々はアロハシャツ、水玉模様のワンピース、足元はスノーブーツと思しき人も多い。手に持つのは、ビニール傘や蝙蝠傘、或いは唐傘。 梅雨が明けてからというも…

青蘭血の滴る星屑畑

世界が呼吸を無くした時、12月は幽かに熱を帯びた。絶え間なく続く雪が揺らいで見えるのは、石鹸箱一杯の粉のせいではないし、渦巻きキャンディーのもたらす台風21945号の頽廃的な進路のせいでもない。 長靴よごれたヨモギの悲劇、星月夜に朱が足りないか…

ロックンロール&アルコール・アンコールは?

酒とロック、酒と音楽。その密接な関係は、酔いが回れば回る程鮮やかさを増す歌声、心を掻き乱す旋律の鮮烈さに戦慄する感覚に、まるで二人手を繋いだまま、着地点も知らずにスカイツリーから永遠に飛び降り続けているような―― そう、寡黙と沈黙の支配するバ…