haiirosan's diary

散文とか

2014-01-01から1年間の記事一覧

12月26日

サナトリウム305号室、閉ざされた世界、閉ざした場所。僕は此処で綺麗な瞳が映し出された幾多もの写真を凝視している。 規則正しいチャイム、正午を告げる無機質な鐘。何となくお腹が空いたので煙草を買いに行った。灰色、黒、カジュアル、無機質で長い長い…

ボンネットで転がって

7月 夜明けの蚊、凍てつく様な暗い暗い朝のベッドと暴かれた秘密 溺れる水槽には海藻も枯れて、僕の頭の中でカンディルの群れがワルツを踊る 心は食い尽くされ 狂犬みてえに手前の骨までしゃぶる ファンフィーター、ファンファーレ、79s C.CAMARO キャバレ…

Out of HELL

人工的な煌びやかさに彩られた光のオブジェが建ち並ぶ都内某所、赤錆びた有刺鉄線が絡みつく様な寒さに満ちた12月。曇天の空の隙間から時折現れる、気紛れな「神」の悪戯は歩道を歩く人々の汚れた心臓を、鮮やかにそして無残に抉りだしてゆく。倒れ逝く人…

池袋哀歌、エレジーは田舎に捧ぐ

夕暮 愛暮 白暮 レトロなメトロは混雑して乱雑 吐き捨てる唾、掃き捨てる瓶、ハイネケンの憂鬱な午後 独りさ迷う境界線 此処は誰もが迷子に売り子に、そして落伍する心 アア嗚呼、彼の名をこの幾ばくの人々が蠢く改札前で叫ぼうと、やがて来るのは白痴の警察…

指先でなぞる、3分間の睡魔と白暮

ブリトー、トルティーア、メキシカンチリコンカンの阿鼻叫喚地獄。バセドウ、見開く眼球、譚、四川風担々麺が伸びるかの如き、二千年の孤独と灼熱を経て辿り着いたソコは、私のチリペッパーを霧状にしてしまう程に、いや甘く狂おしい赤一号に鮮やかに染め上…

8月23日

焼夷弾によって焼け落ちたかのような褐色の紅葉が、5cmの隙間を通りすがる誰も彼もを包み込み、「行方不明」という名の終着駅、或いは何処か知らない世界の果てへとランダムに弾き出してゆくような夢を見る季節。秋は終わりを告げ、もうじき訪れる気が触れ…

私の『千と千尋の神隠し』論

①「千と千尋の神隠し」における橋について。 「千と千尋の神隠し」における橋と他の話における橋との関係性について述べていきたい。 千と千尋において油屋と飲食店街を繋ぐ橋が、物語の重要なシーンにおいて何度か現れる。例を挙げると、千尋がハクと初めて…

自薦、秋に溶けるような三曲

Patrick O'Hearn - A Lovely Place To Be - YouTube Death Cab for Cutie -Title Track - YouTube Out Of This World - The Cure - YouTube

指先でなぞる、三分の死因

液晶画面がひび割れる夏の瓜畑。1997年7月某日、私は鍬を這いずり回る蟻の群めがけて降り下ろしている。車道に佇む、頸の折れた「歩行者優先」の標識が、私の汗ばむ首筋をずっと視ている気がした。怖い怖いこわいコワイ――不意に踏み出す革命の札、未来はきっ…

真夜中/朝明けのバター

真夜中、独り奔るバイパス 煤けたコンバース 湿気た煙草は握り潰した 咽喉を鳴らす黒猫は妖艶さ 歩道橋 見下す車道 ネオンとヘッドライト 虹色の情景 最果て 午前一時 斜陽気分 鋼鉄の夜、肉体が砕ける 朱色の光景 は幻? 午前三時 魂 浮遊セリ 溶鉄せし夜、…

Cannabisの白昼夢

翡翠色 光に焼かれ 影に抱かれ 朝を迎え赤いカーテンから覗く 街角の嘆き、乾涸びた空 唖唖、昼食だ 中傷だ スクリーンが喚く単語が 幾何学模様を網膜に刻む 山高帽の富豪が杖を失くすが、彼女達は気にも留めなかった Hi-Lite 煙草の吸殻 歩道の亡骸 刹那に…

夕暮の水槽

夕暮時、「私の」終末の日、目を細めて覗いた水槽には、確かにあの日水死した少女の死体が未だにうつらうつらと浮かんでいた。水面で円を描く鯉の群れ、私があの日に還るには、その穏やかな渦に飛び込み、息絶えることしか……。 薄緑色の水槽、死体の胎内にい…

雨曝しの明け方、逆行する正常にうな垂れていた

雨音がざらつく午前八時、靴音で溢れる無機質な改札の、間断なく鳴り続ける小刻みで無慈悲な切符を切る音色。電光掲示板には今日も赤字による「×××線、×××駅~×××駅における人身事故の為……」という表示がけばけばしく表され、その人身事故を起こした人物が実…

最近良く聴いてんけど、オススメじゃけえ聴いてみんしゃい的な。

・Truckfighters https://www.youtube.com/watch?v=TGl8nFGxmXo 重戦車の如きベースとジャンキーっぽいギターが爆走しまくるストーナー/スラッジかと思いきや、KYUSS時代のジョン・ガルシアを彷彿とさせる、情感のこもった歌とオリエンタル且つ叙情的なフレ…

秋の水牢

廻る廻る夢現と幻覚の中、私はクーラーの下のアイスキャンディが溶けるまでの数週間の間、翡翠­色と紅色が絡みあう水牢で踊り続けていた。 ダイス模様のダンスホール、ストロベリー・ダイキリがなみなみと注がれたグラス越しに覗く、白黒赤が織り成すおてん…

凍狂 Psychedelic garden

何処からか祭り囃子がドドンと鳴り響く午後二時、10月半ばの渇ききった風に扇がれ、私は山手線M駅に降り立った。 降りた刹那に気づいた、電車の外壁にへばりつく、6mはあろうかという虹色の巨大なヤモリの存在。派手な身体の色とは裏腹に、彼はどこか淋し…

睡魔草の泥酔、死霊草は「ほとけぐさ」と読む

……焼酎、しょうちゅう、ショーチュー…Si…tyu……ビーフシチュー、杏露酒? ねこぢるが自ら作品内でアル中の父親に関して、僅かながらではあるがキャラクターを通して彼について語るシーンを読み進めると共に、薄暮の夕景と共に彼女はクライクライ影を居間に落…

Kill Be Vodka

硝子のように透き通ったギルビーウォッカが、冷えたビールジョッキになみなみと注がれたのは、嘘寒い9月の朝のこと。白い太陽は磨りガラスの奥でボンヤリと縮こまり、私の網膜を穏やかに焼いてゆく。心臓の鼓動は僅かばかり早まり、それは記憶の牢獄に閉じ…

この曲を聴け! 

この何とも押しつけがましいタイトルは、実家にあった音楽ガイド本から拝借致しました。タイトルは押しつけがましいですが、この本をきっかけにトリップ・ホップやゴアトランス等々を知ることになったので何気に感謝しています。という訳でナウな感覚でチャ…

赤いスカートと夕暮れの街  2

4 ――ガラスの破片を盲目的に巨漢の太い首に刺す。だが、それが人間の首などでは無く、冷たく無機質な、ただの電信柱であることに気づき、ハッと我に返った。 黒いカーテンが空を覆い、黒猫と影が闇に蠢く。そしてそれらを星々の下に曝け出そうとするかの様…

赤いスカートと夕暮れの街 1

――夢の中で殺され、目が覚めた。歪んだ針が指す、PM12:00。私を縛る現実の轍から解放された月曜日。窓の外から聴こえる「ような」気がする幽かに聞こえる靴底の群れる音と、子供達の耳障りな嬌声が、心の隙間に突き刺さる。 フォア・ローゼスの空き瓶、濁り…

茜色 空空、五時の夏と秋の境界線

末梢神経 中枢神経 応答セヨ真夏の生傷 呑み屋の影にて嘔吐せり グラスホッピー 外で酩酊 中は迷惑 氷は邪道 せせら笑う競りの後が夢の痕―― ――八月の末期 青春の燃え殻 亡骸に捧ぐ 紫煙と記憶 車窓 セッター 虚ろな冷房 夕景は走馬灯のように流れるの 朧げな…

クロールの真実、プールの水と塩素の海、17

私の住んでいる古びた木造アパートから徒歩約十五分、意識しなければ気づかない様な〈其処〉に死に場所はあった。駐輪場には何年前に停められたかすら分からない様な錆びた自転車の群れ、乱雑に置き捨てられた斑模様のサンダル、朽ち果てたアイスキャンディ…

腐敗した日常でアレしか云えねえのだからそりゃ仕方ないべなあだって現実ではアレがアレでっていう惨めなアル中こと私の言い訳

メスカリンの夢、蛍光灯を消して現実でも光を消して、けれどクーラーは点けたままじゃないともう眠れないんです此処一週間、と赤いカーテンの隙間から見える真っ暗森の暗闇に訴える午前三時。唸る風音、僅かに落ちる聴力と霞む思考力、十七年前の訴訟と17…

Do Re Mi

酩酊、午後九時のまどろみ。静寂に満ちた小さな部屋にて、小刻みに震える手指で「Do Re Mi」を爪弾く酔曜日。汗ばむ色落ちした髪、乾いたコンタクト・レンズ、安酒の瓶は万華鏡のように極彩色に二重に三重に。十二年前、古ぼけた紙に書かれた楽譜など中学一…

Alondra Sauvignon Blane

「ズッ友だにょズッ友ダにょズットモだにょズットモダニョ……」 ――某U駅近郊にある美術館。蒼い日曜日、脳が爛れた午後二時。民放でも盛んに採り上げられたこともあり、目当ての展示は炎天下の白昼夢の中でも90分待ちという惨禍に見舞われていた。滴る脂汗…

さまぁふりゐすたいる

七月 八月 熱中症な東洋哲学 金取る 金出す NHK HKK AKB KKK そりゃ誰だ?分かったフリした老害連中 刺し 出す 春画デザイン サインはライン 流れ作業 仰ぐぜデブが 団扇が燃える 内輪で揉める親族会 蜂の巣つつく 餓鬼の素肌が青ざめる 蚊取り線香 廻る世界…

Negative free style 1

Suck my dick Bitch 俺はFラン でぃっくも書けねえ偏差ヤク30 地元じゃ三十路越えな馬鹿兄貴 馬並みなアソコ自慢する earthquake 明日も不安 明暗分けれた図太い呆け 太いのは胴体だけにしとけ童貞 目障りだぜレイプ専用エイプ みてえな生気 正気を喪う1…

蒼い夕景

「梅雨もあと数日で明けるでしょう」と朗らかに予報された、七月某日。民放のお天気コーナーにゲストとして参加していた沢山の小さな子どもや親子が嬌声を上げ、終始笑顔を浮かべていた。だが、果たして彼らの天使のような様態は様々な情念が渦巻く、家族や…

七月の眩惑

7月の或る土曜日、私は白ワインの瓶を抱えたまま、青い水槽の水面に浮かんでいた。蛍光灯が煌々と照らす小さな部屋、消し忘れたテレビから流れるロールシャッハ、ジャワカレーと刻まれた玉葱の匂い。天井から吊るされた管は草臥れて、恐らく繋がれた誰かし…