haiirosan's diary

散文とか

2014-01-01から1年間の記事一覧

7月4日 ゆめにっき

以下、7月4日午前4時頃から夢で見た景色であるはずだが、今私がボンヤリとキーボードを打ちつけているこの瞬間もまた、現実に肉迫した夢の中である可能性も否めない。醒めない酔い醒めない眠り覚めない脳……。 (場面1)全てがミントグリーンに染まった、…

GO GOサムラゴウチvsヘンリー・ロリンズ その2

ロリンズの野獣のような咆哮を号砲に、ドラマーが典型的(おっと失敬)な2ビートを刻み始める。その軽快なビートの波に乗って、フィードバックノイズ混じりの歪んだギターリフと、重々しいベースがグライドし始める。彼らBLACK FLAGの大名曲、Rise Abobeで…

ハイボールイービルキルミーギルビーウォッカ

雨、雨、雨、雨。ジョン・コルトレーンよろしくフリージャジーに降り注ぐ水滴。その音でワルツを踊りながらアルミ缶に不規則に収められた薄荷アメを一缶、贅沢に食い尽くす私。蛍光灯もブチ切れた暗い暗い部屋の中、眼前のブラウン管TVの中で大音量で垂れ流…

GO GOサムラゴウチvsヘンリー・ロリンズ その1

此処はサンフランシスコ、フィナンシャル・ディストリクトやユニオン・スクエアを西海岸系スケーターが爽やかに駆け回り、住む人々の多くはフルハウスを観てのんびりと過ごしている。その一方で、ツインピークスからデヴィッド・リンチが兎の着ぐるみのまま…

百年の孤独

僅か十分間の酩酊、繰り返す土曜日の夢中夢、狂った夢の中で間断なく嗤い声を上げる私の部屋には光が射すことは無く――私にはそれが百年の孤独に思えた。 或る晴れた春の日曜日、渋谷の雑踏はサンデーブランチの憂鬱を物ともせず、喧騒と雑踏、街頭スクリーン…

S町1-111-111-111-111 唐傘坂

不穏と不安に満ちた四月、私はいつものように湿気たセブンスターを咥えながら、無気力にベランダの欄干に凭れかかっている。黄昏時、柔らかな静寂の中、不意に死体を引き摺るような音が鼓膜を不快に舐めはじめた。雑音の発生源と思われる真下の坂を見下ろす…

八月、行方不明の彼岸花

白い太陽が照りつける八月、何時の間にか私は行方不明者として、そこかしこの錆びた掲示板にビラを貼りつけられていた。行方不明という穏やかな扱いをされてはいるが、私は多分元の世界にはもういない。死んだ記憶も殺された記憶も無いけれど、目の前に拡が…

人身事故者とレッツスピーキングスーサイド(漫画原作用)

・設定やら前置き 十月、舞台は某T上線・S駅の閑散としたホーム。午前2時、駅にたどり着いた「僕」は自転車を乗り捨て、懐中電灯を片手に昨日目の当たりにした人身事故の現場へと踊るように跳ね歩きながら向かっている。「僕」は27歳・ニート。ある特殊…

新宿では闘争と妄想と幻想に満ちたサンマルクカフェが溶けている

雨と雪の境界線に包まれる新宿西口付近。pm2:00 、サンデーピープルの俺は此処に出来損ないのマザーオールドファッションな油脂と皮脂と豚みてえな背中のヒモっていう名の悪魔の憐れみ十四小節ブルースと共に、灰色と蒼いグラデーションの海が満たす冷凍都市…

SLOW SWALLOW 2

――自動設定の目覚まし時計が鳴り響く。カレンダーでは 2000年8月3日、私にとっては2016年1月1日の朝が始まった。埃っぽいカーテンを開き、閉め切った窓を開ける。アパートの前の歩道には年始早々にも関わらず、クールビズのサラリーマンの群れが…

SLOW SWALLOW 1

「私だけが2015年大晦日にいる」――燦々と輝く白い太陽、鋭いナイフのような冷たく乾いた風、気温は恐らく6℃くらいの真冬にいるという意識は最早、肉体が感じる温度すらも支配している。視界に映る、アスファルト上で踊る陽炎、今にも倒れそうな老婆によ…

温かいかき氷という矛盾

世界の終わりが千鳥足で空に倒れ込んだかのように、街は群青色に染め上がっていた。夢うつつの状態である私は幽かに期待した。眩い太陽は姿をくらまし、街灯も鴉も戯れることなく沈黙している。毎朝聞こえる金属質な子供の悲鳴や、不快感に満ちた老人の呻き…

Into The Blue

揺らめく青い炎と紫の煙、三日月は霞む視界の中で笑っている。 12月某日、私は砂漠の丑三つ時のような寒さの中で、ライターを着火しては消し、着火しては消しという動作を繰り返していた。小さな部屋、狂ったピアノとブラウン管。テーブル上の眼球のような…