haiirosan's diary

散文とか

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

In the Blue,Out of Heaven

鈍色の十字架が群れる田園、火曜日の淡い赤が青に染まりゆく午後は晴天なり。 摂氏××℃の世界で、枯れ逝く石楠花達に、白衣と悪意に濡れた僕らは祈ることもしなかった。 狂う時計、ランチボックスに墜ちる白い羽根、水たまりに浮遊する風船の亡骸。 ――広場の…

「境界のない海、西瓜は秋に溺れるか?」

――彼女は農園の爆炎と無邪気な憎しみの中で生まれた。水分に満ちた少女、渇ききった人々の中で孤立するのはそう遅くは無かった。 私は彼女を「傍観者」として観ていた。枯れゆく百合、灰色の日常、都会の喧騒。 高層ビルのあまりに透き通った硝子越しに見え…

「境界のない海、冬瓜は秋に溺れるか?」

「境界のない海、冬瓜は秋に溺れるか?」 ――それは或る秋の始まりの月曜日。鮑の柔肌、蕨の緑黄色、花火の「三」秒間に飽きられた3-14-7-682の消失点に立つ、上海路地で飽食と装飾に浸るモズク蟹のようなA.Aがうそぶいた台詞だった。 海辺の菜食主義者は微細…

桃が溶ける午後に

渇きの街 乾かないシャツ 相反する世界 僕らは絵具を持たずに生まれた 色を喪う 黴た腐肉に寂びた果肉! 蠅の王は群れる黒の中にいるのか? 探せ 曝せ 骸の中に潜む悪意を 終わりを告げるシャボン玉 雨のように弾けるシャンパン 葡萄の悲劇 透明と純粋の墜落…