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haiirosan's diary

散文とか

浴槽に沈む生者、キッチンに佇む死者

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 真昼の暗闇、夜はメロンソーダ色、私の8m先の8mmフィルム。8月の錯覚は死角で轢かれる少年が少女に視えたけど、彼及び彼女は右手及び左手に握りしめていた鼈甲飴とウユニ塩湖のような汗を凝解及び凝固させていた。

 繰り返す単語、言語、コンゴ民主共和国の銃声。

 渋谷街頭TV、盲目に「近い」僕らは、広告塔の絆創膏のような15cmの画面に惨殺死体が映し出されていても、何も見えない、何も感じない。

 家庭内巨大スクリーン、いつの間にドアの代わりになっていた。轟音と明滅する極彩色の典雅に僕らは能面を貼り付けた様な顔。

 例えば彼女の銃は蜻蛉の羽根だけを鮮やかに撃ち抜く。

 晩秋の悲鳴、鈴虫のエンドロール、飛べない鳥達はスコールを待つだけ。

 喩えば彼の刀は枯れ果てた紅葉の役割をお終いにする。もう冬だ、汚れた12月、斃れたK、僕らはこの教会から出ることができない!そう、永遠に。

――日曜日、食パンの少女と轢死体の少年によるBOY MEETS GIRL.拳銃と刀剣で彩られた、然しミニシアター系20分のショートムービーの冒頭に描かれる、ウユニに降る鼈甲色の雨が地上で溶けて赤蟻と欲望が沸く。

 山手線の8番目、糖蜜の流れる教会にいる理由は無いけれど、ここでは太陽が視姦してくるから、僕だけは、或いは僕だけの浴槽に避難する。紅葉と蜻蛉の羽根が淡く浮かぶ、メロンソーダの冷たい海へと。

……30分、60分、120分、240分、労働階級制度のような刻み方をする人体模型の口元。男か女かHalf and Halfのデリバリーピザのようなあんた。

 そしてトマトの内臓とチーズの皮膚が凝固する頃に、僕はキッチンで砂糖を凝解させ、べっこう飴を作り始める。