89階、垣間見のパラレル。
88階から這い上がる神の左手
87の使徒が裸足を拒否した雨の暁
包み込まれる憂鬱のワルツに、スクランブル交差点のパラソルは血に染まってゆく。
彼或いは彼女は逆さまの蝶を愛で
貴女の知っていたはずの名前を、
「ほんとうのなまえ」に降格してしまう。
――やがて、総ての事象の名が喪われ、
形骸の哲学はモノクロを描き続けていた。
色を喪い、メッキの剥げた記憶、白紙の記録
そう、白骨化した花園に隠されし蒼に、掻き乱すレンズも内臓を吐き出すことも無く……。
_-/<>¢§を幾度繰り返せば、私は真相を手繰り寄せられるのだろうか?
血印のテクスチャ
刹那の最期に赫と黄疸深まり、私は匿名の死体、或いは――を刻んで唯笑う。