haiirosan's diary

散文とか

網膜のゾアとアスピリン

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白磁散りばめられし水色に
瞬冷の春は幽かな暖かみを帯びて
全ての埋葬された遺体に無垢の祈りを捧げる。
例え、青ざめた爪先が
「鬼」の頸動脈を引き裂こうとも――
__モルヒネの笑み
アブサンの残り香、
12月の空席、
拐かされし太陽、
オレンジ轢断した罪と罰の断片
左手の革靴、暴かれた視界の裏とコイン
「網膜のゾアが選択肢を迫る 」
模型と化した都市はかつての呼吸
或いは「人形」としてのアイデンティティ
群青のパステルとフィルム上の形而下に
(死)として形骸化する。
果たして、彼らの元素記号は解体することなく、針を忘れた×空を彷徨う透明性に拮抗できるのか?
私にはそれが判らなかった。
存在しない(紅きあやめ)
あのイロをアスピリンが暴きだす時、
海岸線を流れゆく百合と白いワンピースは瞬く間に罪に濡れてしまった。
――泡沫、蒼い路地裏の記憶さえ__
傷だらけの裸足が、
透き通った水槽の砂漠を彷徨う。
右眼を這い回る蜥蜴と影
覆面喪った白衣 早過ぎた納棺
私の爪が催す、悲劇の末路は
いつも地下室の天井に描かれなかった黒猫の余韻と「   」
剥がれ墜ちる境界線
青い砂漠の砂を全て
私の血で固めることができたら――
60F,チョークの跡

#散文 #詩