水色の夏時計停まり、溶暗する黄昏。
柔らかに溢るる血潮想起して
カルキの園は静かに嗤う
水のないプールを遊泳するバタフライ・ナイフが、鬼灯色の煌めきを鋭く湛えていた。
波紋に幽かに滲む静脈血
左手の罪を否定する影絵
6を刻む薬指の標本、君が曖昧な存在と化す時……
林檎の花と紋白蝶は街に抱かれ、その色を葬列の足取りへと散らしてゆく。
円転する夕陽、教室の影が濃くなっても、彼方の祈りは終焉を迎えることは無く――
50mの永遠
100mの輪廻
ラストシーン停止するままに
エーテル揺らめくままに
潮騒の嚇は瓦解した世界を映す。
平面に佇むオブジェクトはやがて呼吸を 喪 い
、まっさらな色だけが微笑を湛えて――