haiirosan's diary

散文とか

沈黙と藍色の百年戦争

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自由の羽が藍色に濡れてゆく

青い春に暗影を墜とすのは、いつもあまりにも華やぐ桜だったから、

その可憐な縊死は突き刺さるような刹那に浸されていた。

塩素水に波紋を遺す、ひとひらの花びら

霞のような桜花を反芻する 二度と枯れぬ運命の色

最期のドアを開くのはきっと、ラストシーンを夢見た少女の左手だから

冷たいままの手、水色のままの手首を拒絶の感情が切りつけた

眩しすぎる光に充ちた終末は、存在しないはずの神によって隠匿される。
奇数に溺れた『予言の書』

7に彩られた楷書体に滲む暗褐色

焼け落ちた書店に誰もが渇ききった手を伸ばす時

糾弾された肖像画は幽かな微笑を浮かべた

トパーズグラス砕け散って、世界はアルコールの蜜に酩酊する。
夕暮れの子どもたちは分裂する空に、無邪気な祈りを捧げるが、彼らの瞳は徐々に茜色に浸されてゆく。
暗い影、クローゼットに隠された夕日

「開くことの無いシャッター」

白椿の夢は柔らかな桜花に掻き消され

プラスチックの造花は穏やかに血を喪ってゆく。
__あまりにも遠き春

――あまりにも遠き夢

「  」
沈黙とサイレンの百年戦争
障子に躍る青い影絵を紅で染めた?
埋められし薙刀と錆びた酒乱咲き乱れ、猟奇の香りを偽れないから……