haiirosan's diary

散文とか

丑三つ時に寄生する薔薇が色を喪う夢

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チョークで象る死の証明。
彼方で轟く雷鳴を黙殺するかのように、
無言の炎が彼女のドレスのような懺悔を焼き尽くすかに見えた。
灰色の壁から一歩を踏みだした、
その笑顔は酷く歪んだままで
錆びついたナイフが浄化されてしまう音だけが
青い世界に鳴り響く。
磨り硝子に匿名の死と血
丑三つ時に寄生する薔薇が色を喪う夢
夕陽のシャーベット溶けて
彼らの水色の虚偽は裁かれることなく
通続音みたいな四月を迎えてしまった。
――そうして暗い影を濃くしてゆく君は
、一体何処へ歩みを
(奇数のWWW,)
或いは__
無機質なロンギヌスの槍が降り注ぐまでもなく
世界は脆くも瓦解してゆく
空は未だに水色を保ったまま


ちはワイングラスから
健やかに飛び立ってゆくけれど
彼らは審判に無言を貫き通していた
琥珀色の季節は瞬く間に楼閣を編み出し
彼或いは彼女の縊死を求愛する。

夕刻に靴ずれの痕血が滲み路地裏の鬼赤い靴の記憶

ねえ、手招きをする鬼の跫音がキこえる?
握り潰された柑橘類のイロ__色が空を犯す
まるで私の目が罪だと宣告されたかのように
流れゆくカナリアの激突は終末の調べ
蜜柑畑に血を零すことに躊躇いもなく、
君はフェイドアウトを選ぶ。

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