haiirosan's diary

散文とか

2015-01-01から1年間の記事一覧

蒼い午後と三ツ矢サイダー

1999年8月、「終わりの日」の境内にて、少女は未来など、喩えば三ツ矢サイダーの硝子瓶の中で跳ね回る刹那の泡だと嘯いた。少女は今どこにいるのか、どこにいったのか。 蒼い午後に吸い込まれるセンチメンタルは、夏のそよ風に吹き流され、僕も君も飛ばされ…

期限切れの世界

僕がみんなと繋がっていられる、この長方形の旧式MAC或いはスクラップWINDOWは、どうやら本日零時を以て暫しの終了を迎えるのだと彼女は言った。 彼女は平行する夕暮時に死んだと思っていたけれど、どうやら朝焼けのベーコンエッグの狭間の世界に隠れ潜んで…

酩酊しなくても僕らは地獄

夕暮れ、シチュー鍋にドカンと突撃した731部隊。 今日はクリームかbeefか何て、人身事故の赤を見ながらツイートするなよおい!!! といいつつ、僕は新宿の薄汚く洒落たカジュアル・イタリアン(彼の矛盾はいちご100%ならぬ左脳0ぱー)でホッピーセットヲ呑…

「雨と踊るワルツ」 詩

『詩とファンタジー』夏駆号 最終候補作

瓶詰地獄の島

――とある島に流れ着いた、三本のビール瓶。其々が数キロずつ離れた浜辺に打ちあがっており、一つは砂に埋もれ、もう一つは海藻や貝類と共に、そして最後の一つは打ち揚げられた鮫を捌いている最中に、それの腹の中から発見された。これらの瓶は荒波に揉まれ…

何故、朝呑むワインは旨いのか? 詩編

朝だ 誰もいない朝 誰が望む明日? 太陽見てる 目ヤニと主婦の嫌味 太陽笑う 犬の群れにパンケーキ 餓鬼の群れにボロネーゼ カプチーノ スタバ 甘い七月? 暑いのが現実で鬱 真昼間GIRL 私はペペロンチーノで殻に籠る 唐 大蒜 オリーブの調べは「絶望のパス…

台風、酩酊、廃退、退廃?

液晶に映る 雨音 風音僕は隙間を縫って ミシン目が解れたjeansを履いて(71) (85)何らかの理由!氾濫 反乱 砂漠で逆らう雨の夢NHK 深刻な申告?幸せな人 平和を貪る僕はプラカードすらーー風と雨 風邪と飴味は丸善に置かれた檸檬そっとそっと君の平穏を祈る為…

8月32日、忘却の夏 

夏に砕ける 西瓜と淡い想い 夏に溶ける 写真とアイスキャンディー あの日君は 眩しすぎて あの日僕は 腐りきってた 「プールの底 赤い靴 羽を失くした蝉の群れ 終末の夏休み 移ろう海辺 水羊羹の変色 8月32日 終わりのハジマリ」 そう、滑り堕ちる 夏の刹…

指先でなぞる、終末のアイスクリーム

「扇風機に指先を突き刺せば、私は彼女に痕をつけることが出来ると思ったの」 そうほくそ笑む彼女は、僕の目の前でチョコレート・ミント・アイスクリームを燃やしていた。 滲む赤、暗い世界 紅茶に沈む空の青 薄暮れ 紅 死体の肢体は国体辞退 藍暮れ 五月雨 …

理科室から滑空する夢

そう、僕の17歳はまさに密閉空間に自ら嬉々として入り込んだような、そんな心持であった。 外の世界よりも内なる世界。五限目、理科室で知らない誰かの好奇の内に刹那に燃え尽きる微生物のような、そんな人生しかないんだろうと、僕は図書室の窓際で涎を垂ら…

Schizoid CITY Drop Out DADGAD

衝突 慟哭 燃えあがる雨中の髑髏 肋骨に入れる罅に日々の皺を刻め 777の確立に君らは確実性を求める 黒服のナイフ 撒き散らすPulpはFiction. 明滅する666 消滅するフェスにDIS 残る肉塊に後悔はあるかい? 共鳴Jimi 国歌斉唱で星条旗を燃やすコートニ…

蒼い氷点下濾過

――水槽に沈む金魚鉢を見ている。六月の末路、螺旋構造の硝子とガラスが触れあうこともない青い水20cmの中では、未来と過去を啄ばむ死にぞこないの上海金魚の群れが、今にも酸素の世界に浮かびそうな。 僕らは青に碧い氷を注がなければならない。今にも澱みそ…

彼曰く、「大丈夫な」人はいない、と

シンガポール・シンドローム、シンガロング・シンディー、ヒンディー・パーティー、レンガブロック・モノクローム、クリアウォッカ・レモンライム、アリアブランカ・サモンナイト、トリスサザンカ・ブルーレット、マリスミゼル・スカーレットはルードヴィッ…

六月、夕暮に私は殺されたけれど、

https://www.youtube.com/watch?v=L4UfAuwE8v8 六月の夕暮 途方に暮れる街の影赤く揺れる鴉 白線の外側で死す砂の様な未来を 吹き流す刹那の風アイリスが轢き殺される夕景カナビスも散る孤独な映像 「この世界で少しでも綺麗に生きたい! 人の人生に正解は無…

指先でなぞる、水無月の砂漠

水無月の乾いた朝、僕らが顔と血管を洗う井戸から這い出る千里眼の「あの娘」の白装束は今日も湿りきっていて、それは幾百ページにも及ぶ邪神教の楽譜のような緻密さと明滅さに充ちているような。 そう、僕は君のことを知らない痴れ者だけれど、君は僕のこと…

黄昏横丁にて水菜が裸に剥かれるような、

――厭にくぐもったエコーと劈くサイレンを纏う、どもりの市内放送。もう大人になってしまった私或いはあなたに捧ぐ鎮魂歌は、どうやら昨年の八月の水の中に溺れてしまった少女と老婆が未だに発見されず、傍らに落ちていた手編みの買い物袋ですら、彼女のたち…

Viper Room? ราชอาณาจักรไทย?  Carassius auratus auratus?

ヴァイパールームの朝、僕は縦列駐車した麻袋の肉塊を、スーパーカブ50で轢き潰し、出前のざるそば10人前を海月の死骸の如く撒き散らしていた。ギルビー・ウオッカの円卓に白銀の騎士はもういない。堕落した黒天使の虚ろな祈り、円形脱毛症の神の怒りすらF…

フライパンで悶えるボロニアとヴァイスブルストの悲劇

例えば大焦熱地獄と化したフライパンに、簡素な袋に閉じ込められた6本のヴァイスブルストを投入しようとする。ソーセージが真っ当な食料になる間に、あんたが鉛色に飛び込む姿が何度も拝める皐月なのに摂氏30℃、出先のゲーセンからよろめきながら帰還した…

日曜日、少女は海を凝視していた

――それは潮騒の残酷な記憶。無表情に繰り返す波の白と時折混じる赤、見上げた空は汚れのない青に満ちていて、その中を滑空していたカモメの群れが、海上のテトラポットや右眼を喪った釣り人に目がけて墜落していく―― 或る日曜日の昼下がり、そんな海の情景を…

指先でなぞる、初夏の凍傷

×××神が凍てついた蜜柑と虫食いの西瓜を分けて下さった、8月32日の夏休み。 渇ききったプールサイド、夢際の最期に、少年は群青色のビートバンと水底を何時までも凝視していた。 果たして終わりのないpermanent vacationには紅葉と老いた鴉が舞い散る季節…

浮遊する二月、ヘンゼルとグレーテルの幻

https://www.youtube.com/watch?v=B3MVQl9KdXI 凍てつく世界の果て、焚火も裸足で踊り狂うことをやめた二月。私は確かに14の紅白唐傘が建ち並ぶ銀座の歩行者天国で、「彼ら」の幻を視たのであった。 杖をつく老夫婦が運悪く、とてもとても不運にも暴漢の凶…

パピエ・マッシュが人魚の財布に沈む夢

ある種の海藻に甲種の蜂が絡みつく。此処はキャスター、メンソール、マルボロの宝船が浮かぶ、ざらついた海辺。純粋だった君が傷だらけの裸足で歩いた、何時かの砂浜は偽物の真珠に身を焦がした哀れな貴婦人達の深爪から垂れ落ちる粘液と、腐りきったラズベ…

散る桜、遺る櫻は果たして本当に幸福と云えるのか?

Cogito ergo sum,コギト・エルゴ・スム…… 海月のように永延と電線が揺れる街。陰月の色褪せた世界に蝶々の様な桜吹雪が舞い踊る中、俯きながら彷徨う君は、かの有名なデカルトの言葉を3秒ごとに呟き続けていた。そして、唇も声も枯れ果て、刹那の桜が淡く死…

Ennui

赫に染まる肌色の砂漠 滲む痛みはアンニュイ? 陽炎揺らぎ 移ろう世界に絶望 もう誰も何も望めない正解 右往左往戸惑う 迷宮で描く無数の謝罪 雑踏の中、僕は独り 熱砂に渇く涙 絡む手足 照らすネオンに「答えなんて無い」 枯れ果てる百合 疲れ切った君と溜…

NIRVANAそしてKCと私

Go away,get away,stay away.私がまだ十代半ばの頃、埃まみれのリビング、安物のスピーカーの奥から「彼」は悲痛であり頽廃的な声で何時までも叫び続けていた。狂いそうな午後1時、学校も家も全てが退屈で鬱屈なあの頃の記憶は偽りか真実か? ――十代の苦痛…

ハウスワイン、HELL-SEE、マウンテン・デューの模倣犯

眠る雌 しべ、散る雄 しべ、 君はアスファルトの染みとなって、この世界に刹 那と 切なさ?くたばれ 鵐 鬆 あ、ロードムービーロートルローマの休日ローストチキンローストビーフ ああ、原型、March,醜さの跡を刻み込んだ。 ハウリングする月と夜警、 黒服の…

ミントアイスクリームソーダパフェヴァニラファッジは群青色の空に溶ける

真冬のアイスクリーム・パーラー、真夏の資生堂parlor、移り行く季節と共に、そして全ての罪が許されたかのような雪溶けと同時に、彼女らの垂直に突きだすパラソルの群れが、黄色い帽子の少年や紅い靴の少女の楕円形硝子を抉る。白日の下で乱反射する、こぼ…

アル・カポネは4886番

4886、なまえをなくした怪物、匿名性の君、名前を知らない中近東の円月刀が唸る。嗚呼、私が下北沢のペットショップを横切る度に、名前を付けられない惨めなシェパードが「君を凌辱したい」と嘯くような。 アル・カポネがそのふくよかな左頬を切りつけられた…

SweetLeaf,lunch,MeatPie

黒百合白百合、散りゆく桐花や芥子の花弁に囲われた白黒紫に染まる淫靡な回廊で、私はミートパイを虚心に貪り喰らっていた。 生い茂る草花、花粉症の君には地獄のような空間かもしれないね、或いはchocolate中毒の貴女には、と嘯いて笑う私の網膜には既に虹…

レトロしてゐノ有明エレジー

三月、午前七時32分。何となく春雷に打たれて考えていたことは、私が21th century schizoid manではないかという根本的であり曖昧な疑問であった。レコードから流れる山口百恵、或いは極東花嫁の嘆きの青春。 群青色の空を這い回る入道雲、透き通った硝子…